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コーディネータ自己紹介
yuta | ストップ温暖化に目覚めてはや活動6年、頭で理解していてもライフスタイルを変え実践は難しい。更に継続はなお難しい。もう一息地球&子孫の未来のために頑張ろう。 |
経過論点
【中間論点整理】
<なら電子会議室19年度上期中間報告(2007.12.15)>
●テーマ1: 「ストップ温暖化を考える」
〜家庭・地域から温暖化防止の取り組みを広げよう〜
コ−ディネ−タ−:yuta
1. はじめに
今まさに身近で深刻な問題となってきている地球温暖化について、奈良の現状把握から将来のあるべき姿、そして私たちはどうすべきか、どうしたいか、等について、まずは気楽な気持ちで様々な意見や提案を募った。現在(12/14)までの本テーマ会議室への参加者は20名、発言数は105件である。
2. 会議室及び発言の概要
一応お知らせ欄に「話の進め方」を簡単に示しスタートしたが、それには全く関係なく議論は展開。開始当初は日に10件程度も発言があり、うれしい悲鳴を上げたが日に日に少なくなり、適宜コーディネーター等からの発言(誘い)を行うも現在は10件に届かず極めて低調気味。まずは参加登録者をもっと増やす事が不可欠である。 現在までの発言の概要は以下である。
(1) 地球温暖化の影響
・グローバルには、北極や南極及びグリーンランドの氷も溶けています。氷の融解や海水温度の上昇等による海面上昇、巨大化するハリケーンや台風も・・・。氷河や万年雪がなくなると、太陽光の反射率が低下して、温暖化を加速します。エベレストの氷河が解けて山間部に湖が続々と誕生(氷河湖)、決壊して大洪水を起こす危険性増大、など。
・身近な奈良県では、昔に比べて暖かくなった。30cm程度雪が積もったり、1cmの氷が張るような冬の日はまずはなくなった。花の咲くのが早くなり、パンジーや朝顔はいつまでたっても咲いている。家庭菜園のゴーヤは10月になっても採れる。最近の台風は7月、8月、9月の経路が昔に比べてちょっと違うように感じる。橿原神宮近辺でも霜が今はまったく降りていない。
奈良公園の紅葉も年々遅くなってきて、特に今年の紅葉は夏の猛暑のせいで大幅に遅れました。また今年の1月には、暖冬のせいで平城宮跡近くの池で小ブナが大量発生。藻だか何だかが異常に増えて木津川の水質が悪化している。飲み水に影響があり、口に含むだけで土臭いというかカビ臭い臭いがします。11月も中頃ですが近くの神社の桜の木に、桜の花が5個ほど咲いている。
等々 こんなとこにも気候変動の影響が出てき始めているようです。これからすると熱帯or亜熱帯地方の”感染症”なんてのもより現実味を帯びてきます。
(2) 地球温暖化の奈良県民意識
・環境ISO(ISO14001)の認証取得状況で見れば、全国平均よりかなり低く遅れているといえます。県が目標設定したのも遅いですし、大した施策も出ていません。
・あまり切迫感がないのか、奈良では環境保全の運動が盛り上がらず、とても残念です。
・町内で行う祭りやその他行事でのゴミ捨て、煙草の吸い殻もあちこちに落ちてます。路上でのゴミもあり、国道脇での弁当の空箱やゴミの山など、奈良県人として、とても恥ずかしい思い。
・昔公害の町、北九州市や尼崎市は今や環境先進都市に変貌。理由は一言、公害で苦しんだ経験。緑豊かで痛みを経験していない奈良では、このような発想は出てこないのでしょうか・・・。
・大型ショッピングセンター等無料駐車場で長時間クーラーをかけてアイドリングしている車をよく見かけます。身近で出来る温暖化防止の啓発活動がまだまだ不十分。
・変化を感じるその意識がなければ何も見えなく、気づいたときは手遅れだった・・・。「ある時点」を過ぎると戻れないポイント・オブ・ノーリターンは、「気温ターゲットが2℃とすれば」ここ10年以内である。本当にこの四季折々美しい奈良の自然を我々はいつまで見れるのでしょうか。
(3) ストップ温暖化に関連し奈良県が他県に誇れるもの
・自然でいうと、森林と空気と水資源でしょうか。森が作り出す新鮮な空気ときれいな水は、何物にも代え難い素晴らしいものです。また人工物でいいますと、御所市の太陽光発電や、野迫川村の風力発電がそれに該当するでしょう。
・奈良と言えば歴史的遺産の寺院仏閣とお坊さん。県下の宗教家(お坊さんや神主さん)が集まって、「奈良エコ宣言」のような提言をすれば、大きなインパクトがあります。
(4) 重点分野と対策
1) ゴミ
・ゴミの分別をきちんと行うと、無駄に焼却しなくて済み、結果として必要最低限の焼却処理場だけで済むようになり、ゴミを燃やすための税金が節約できる(横浜市の例)。もちろん、焼却に伴う炭酸ガス発生だけでなく、大気汚染による住民への健康被害も解消し、医療費の出費も減るという良い循環になってくる。この辺は子供のうちから教えていく必要があります。
・町内会や自治会の協力に加え、そこで鍵を握るのがNPOの活用です。
・ごみ処理はどの市町村でも大なり小なり必ず処理している問題で、3Rやもったいないの精神にも通じる一人ひとりのライフスタイル変革の基本。
2) クルマ
【マイカーひとやすみ】
・奈良県民としては、限られた努力を何に使ったらよいか。そのキーワードは自動車です。自動車は便利ですが、その社会コストは便利さを上回っています。マイカーを利用せざるを得ない都市構造を採っていること自体が、地球環境への攻撃なのです。だからこそ、奈良県では、マイカーさえ抑制すれば、二酸化炭素排出削減の目標数値はらくらく達成できそうに思えます。道路網の運用を改善して、マイカー無しで暮らせる街にしていくことが、いちばん効果的な地球温暖化防止策だと思います。
・マイカーを自粛してもらうための「大きな事」として、郊外の大型ショッピング店を打ち止めする心意気も欲しいものです。(これはコンパクト・シティへつながる)
・ガソリン価格の高騰で民間会社及び個人ではガソリン消費の少ない軽自動車の利用が増えている。乗車人数、荷物量、距離当によりバイク、軽自動車の利用を検討すべきである。
【アイドリングストップ】
・奈良市ではアイドリングストップ条例があり10万円の罰金です。奈良市の条例では、文化遺産等市長が指定する限られた地域だけで、不十分な気がします。(条例を制定しているだけでもましではあるが)むしろ県で条例を制定し、広く網をかけて規制すべきだと思います。
・官用車や社用車の不適切な運用を監視するとしたら、ドライブレコーダーにタコグラフ等も装備したらよいかもしれませんね。
【自転車の活用】
・化石燃料を使わない移動手段で最も優秀なものは自転車です。ヨーロッパでは化石燃料消費を減らすために自動車から自転車&公共交通機関への転換が進んでいます。日本ではまだ本格的に取り組む町は出ていませんが奈良は条件的にも自転車に有利な地形をしていて「自転車で走って観光できる気持ちいい町」として全国に先駆けて取り組むべきだと思います。具体的には、
@自転車道の整備、A公共交通機関(電車・バス)に自転車専用車両をつけ、自転車をそのまま積み込んで乗れるようにする。など提案します。(サイクルトレーン&バス)
・「サイクリングシティ エコ奈良」ゆたりのんびり観光をキャッチコピーとして、以下提案。
@奈良県内に「サイクリングロード100」選定して自転車道路や駐輪場を整備してアピール。Aお父さんの駅までの通勤や工場勤務も可能な人は健康増進を兼ねてサイクリング通勤にする。
Bお母さんもスーパーへの買い物は自転車でする。
C公共施設、工場、駅の駐車場スペースを駐輪場スペースに変更する。
D奈良には美味しいレストランが少ないと言われているが、郊外のレストランもつなぐ事により点から線の奈良観光を提案できる。
E京都〜奈良〜吉野〜熊野までのサイクリングツアーレースを 企画する。
これにより環境や健康面からは、高いガソリンを使わずにCO2削減に大きく貢献し、道路の渋滞が大幅に緩和する。また個人的には健康増進、ガソリン代の節約になる。
・また世界で一番太陽電池を生産している奈良県は自転車道に太陽電池を並べて、その電気を一般家庭に供給すればいいと思います。自転車と太陽電池の町で売り出しましょう。
・ベルギーのハッセルト市は、街の外周に建設する予定だった三番目の環状道路の計画を取りやめ、代わりにいま二つある環状道路のうち一つを閉鎖し、そこに木を植え、歩道と自転車道を拡張し、バスの運転回数とサービスを向上させ、やがて公共交通を無料にした。1年後、公共交通の利用者が800%増加した。商店主たちは売上が増加して喜び、交通事故と、事故の被害者が減少したため、街が活性化された。バスが無料になったのと同じ日に地方税が減額された。同市の住民が支払っている税金は、10年前よりも少なくなった。住民が増加して税収が増えたので、税を減額することができたのである。無料バスは、道路建設よりも安くつく代案であり成功した。
3)エネルギー(創電)
【原子力発電】
・ 地球温暖化はエネルギーの浪費によって起こっています。その最も典型的な例は原子力発電
で実際に使用するエネルギーの半分以上を捨て空気や水を温めています。原発は地球温暖化を考えた場合、最悪の発電方法です。@生産が消費場所から何百キロも離れている(送電ロス)
A大量の温排水を排出し海水温度を引き上げ、周辺海域の生態系を変化させているB高熱を百年以上も出し続ける放射性廃棄物。C原発のゴミはプールで冷却が必要なほど高熱を出し続けます。原発は何万年の未来にも害を及ぼす旧時代の設備で地球温暖化の元凶です。
・遠くの巨大発電設備を動かし、それを何百キロも運んで分配する旧時代の発想を捨て、各家庭に燃料電池や太陽光発電を設置し地消地産型社会を築くべきです。戦艦大和(原発)などやめ、ゼロ戦(燃料電池、太陽光発電、マイクロ水力)の開発に全力を注ぐべきです。政府や電力会社の「原発がCO2少なく地球温暖化に有効」という宣伝は放射性廃棄物からの発熱や地球を何万キロも回るウラン燃料の輸送加工などの浪費を無視しています。
・地盤が安定しない奈良には不向きでしょう。それに大量の水も要求します。そして廃炉からは多量の放射性廃棄物が発生し、この処分場探し、搬送道路、と未来へ環境負債を押し付けることを認識してください。
・日本では原発の建設場所に苦労していますが、自分たちの邪魔にならない場所で作った電力を使わせてもらって「原発反対」と言えるのか?ゴミ焼却場の地域エゴと同様の感覚では。地球温暖化はエコムードで解決するのか?
【新エネルギー】
・太陽光発電ですが自宅に設置しています。最近も新しい製法が開発され、発電効率も向上し、値段も安くなってきていますし、中古市場も出来ています。
・発電についての選択肢は、・水力発電・地熱発電・風力発電、他いろいろあります。あとは電力会社の変な制約が解消すれば良いのだけど。風力発電建設に電力会社がブレーキをかけています。理由は、市民に代替エネルギーを使われると、自分の電気がその分売れなくなるから・・・。
・太陽電池が人類のエネルギー問題を解決してくれると思いますが、現在の変換効率やコストではまだまだ本名とは言えません。小形水力、風力、波力などのローカルエネルギー利用の技術開発も進んでいますが、適正地の問題やコストなどを考えるととても本名とは考えにくい。一方、自動車は遠からず燃料電池か蓄電池で走ると思いますが、それらのエネルギー源は電気です。
4) 森林
・世界的には森林減少(伐採、焼畑、森林火災などで)が続いていて、最近はバイオ燃料用の大豆やサトウキビ畑等への森林伐採も加わり危機的状態。それらに伴って排出されるCO2は、世界における化石燃料の燃焼等によるCO2排出量(年約230億t)の約4分の1を超えています。森林伐採は短時間ですが、森林の再生は数10〜数100年もの長い年月がかかります。このままでは植林は追いつきません。温暖化対策と森林減少の防止はセットで考えねばなりません!
・奈良県の森林による1年間のCO2吸収量は1000万tCO2で、一方CO2排出量は560万tCO2と、現状は吸収がかなり上回っているが、しかし日本全体の現状は、吸収と排出はほぼ同程度の数値とのこと(藤原昇氏講演より)。これからしても奈良県や高知県など、森林率の高い県には国策としてもっと森林保護育成の支援があるべき。また他力本願ではなく奈良県として、都道府県間での排出権取引等を積極的に広げる等あらゆる政策に手を打ち、、豊かな自然環境に甘んじて、ほとんど地球温暖化対策への投資もしていない現状を気づき見直さなければ、取り返しのつかない事態になります。
・奈良県の山は、少し山中に入ると細い木ばかりが覆い茂り、光も射し込まない状況の山がほとんどです。奈良県は森林が多いと言いますが、このままで大丈夫・・・。私たちが支払っている森林税は生きているのでしょうか?
(5) 実践における鍵は
・ストップ温暖化を実践するにあたって、最も重要なのは「小さな事からコツコツと」ではなく、「大きな事からバッサリと」という方針だと思います。この為に必要なのは明確な現状把握、明確なビジョン、明確な戦略です。なおそのキーは自動車です。
・状況は深刻とは言うものの直接の実害は少なく、一般市民の大多数は何から手をつけるべきかが判っていない。現実は「まずは身近な事からコツコツと」をまず実践し、次に「大きな事をばっさりと」ではないでしょうか。やはり県民一人ひとりはちりも積もればが意識改革の第一歩で、いわゆるムダはなくそうが基本です。奈良県のストップ温暖化のキーはクルマと電気の省エネにあると思います。
・地球温暖化防止への取組みをあまり悲観的にとらえずに、経済的な節約生活への勉強と挑戦、スローライフへの満足感、子供たちへの教育?、など自分の心豊かな新しい生活スタイルを造り上げるという面からあれこれ考えたり提案するのはいかがでしょか。今までの経済合理主義の生活スタイルから人間らしい生活に戻れるという前向きな考え方で取り組むのが良いと思います。
・取り組みの成果が具体的に解れば、さらに工夫した努力が続けられるでしょう。家庭や地域での努力がどれだけ効を奏しているのか、いないのか具体的な数値で実感したいものです。
(6)その他
・昭和の生活に戻るのは、もう不可能なのだろうか?。
・食堂の食材も、輸送コストの観点から地産地消の割合を公表。大型建造物の禁止。24時間営業の段階的中止。環境重視の経営理念を評価。地道な省エネの実践(蛍光灯電球、湯たんぽ、他)。
・家の断熱化に補助金を出し新築の家は高断熱を義務つけるなど「いい家」にお金を使うべきです。窓や、金属製の雨戸の裏側に気泡シートを貼り付けて断熱効果をあげる、というのを実践してます。透明度の高い断熱といえば、段ボール構造の透明プラスチック板もお手軽です。
・カーボンオフセットの考え方と導入。「マイカーオフセット」やいろんなオフセット応用化。IPCC第4次統合報告やCOP13について など。
3. 今後の課題と取り組み
課題は、1にも2にも新規参加登録者の増加にある。特に女性層や若い層の参加が感じられない。今後の取り組みは、少しでも多くの新規参加者の呼びかけを含めより広い意見や提案の収集継続、及び既提示意見の見直しと深掘り、更には未提示テーマの投げかけ など。
以 上